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(瞬間経営管理チャート集2）

その１８　アリュービアル図

                (Alluvial Diagram)

＜何を表しているか＞

このチャートは、売上がどのように流れているかを、地域 → 商品カテゴリ → 販売チャネルの3段階で示したものです。各ブロックは合計規模を表し、ブロックを結ぶ帯の太さが「売上の流れの大きさ」を意味します。例えば、東日本での売上の一部が「家電」カテゴリに流れ、さらに「直販」チャネルへ向かう、といった関係を一目で把握できます。

＜見方＞

• 左列（地域）：「東日本」「西日本」「海外」それぞれの売上規模。

• 中央列（カテゴリ）：「家電」「食品」「アパレル」ごとの売上規模。

• 右列（チャネル）：「直販」「代理店」「EC」といった販売経路。

• 帯（流れ）：太いほど売上規模が大きい。色の濃淡はカテゴリ別・チャネル別で区分されており、どこからどこへ売上が流れているかが直感的に把握できます。

＜利点・メリット＞

1. 全体像と内訳を同時に把握できるため、売上の構造を俯瞰するのに最適。

2. 地域ごとの売上がどの商品カテゴリに強いのか、さらにどのチャネルを通じて販売されているのかが一目瞭然。

3. 単なる数値表や円グラフでは捉えにくい「流れ」を可視化でき、戦略的な販路検討や重点エリアの特定に有効。

4. 将来的な比較（例えば前年 vs 当年）に応用することで、構造変化を直感的に理解可能。

その１７　バンプチャート

＜何を表しているか＞

このチャートは、複数の製品（製品A・製品B・製品C）の順位変動を年度ごとに示したものです。売上高やシェアなどの「順位」を折れ線でつなぐことで、各製品の相対的なポジションの変化を直感的に把握できます。

＜見方＞

• 横軸：年度（2020年～2024年）。

• 縦軸：順位（1位が上、3位が下に表示される逆スケール）。

• 折れ線：各製品の順位推移。交差点が順位の入れ替わりを示します。

• 注目点：製品Cが2022年までは下位に停滞していたが、2024年にかけて急上昇し首位に躍り出ていることが確認できます。

＜利点・メリット＞

1. 順位の入れ替わりを一目で把握：単純な数値グラフでは見えにくい「相対的な立ち位置」を可視化できる。

2. 競合ダイナミクスを理解：どの時点で競争優位が変化したか、タイミングを明確にできる。

3. トレンド予測に有効：順位上昇中の製品に投資やリソースを集中する戦略判断に役立つ。

4. コミュニケーション効果：営業会議や経営会議で「どの製品が追い抜いたのか」を直感的に説明可能。

その１6　ファンチャート

＜何を表しているか＞

このチャートは、基準月（2023年1月）を起点として、複数の製品（製品A・製品B・製品C）の売上変動率を時系列で比較したものです。各製品が基準からどのように成長または減少しているかを「変動率」という相対指標で可視化しています。

＜見方＞

• 横軸：月次の時系列（2022年1月～2024年末までの推移）。

• 縦軸：基準月（2023年1月）からの変動率（％）。0％ラインが基準で、プラスなら成長、マイナスなら減少を示します。

• 折れ線：製品ごとの推移（黄色＝製品A、オレンジ＝製品B、赤＝製品C）。

• 比較ポイント：複数製品の成長速度や差異を直感的に把握可能。

＜利点・メリット＞

1. 成長スピードの比較：各製品の成長曲線を並べることで、どの製品が最も早く拡大しているかが分かる。

2. 基準月を揃えた公平比較：絶対値ではなく変動率で示すため、製品ごとの売上規模の違いを超えて「成長力」を比較可能。

3. 中長期トレンドの把握：短期的な波よりも、累積的な成長動向を重視できる。

4. 戦略判断に直結：製品ポートフォリオの見直しや重点投資分野の選定に役立つ。

その１５　カレンダーヒートマップ

＜何を表しているか＞

このチャートは、2024年の1年間における日次データ（例：アクセス数、売上高、作業量など）を、カレンダー形式で色の濃淡として表現したものです。時間の流れに沿ったデータの分布やパターンを直感的に把握するのに適しています。

＜見方＞

• 縦軸：曜日（月～日）。

• 横軸：各月の日付。

• 色の濃淡：数値の大小を示し、濃い色ほど値が大きい（例：利用数が多い、売上が高い）。

• 12か月ごとの小マトリクス：年間の全体傾向と月ごとの違いを同時に確認可能。

＜利点・メリット＞

1. 時間的パターンを把握：曜日ごとの傾向や月ごとの増減を直感的に理解できる。

2. 繁忙期・閑散期の特定：特定の期間で数値が高い・低い日を即座に把握可能。

3. 長期トレンドの可視化：1年間を俯瞰することで、単月の分析では見えないリズムを発見できる。

4. 改善アクションに直結：売上増加施策や人員配置計画など、日別の特性に応じた施策立案に役立つ。

その１４　メッコチャート

＜何を表しているか＞

このチャートは、製品カテゴリごとの市場規模と、各カテゴリ内における企業の市場シェアを同時に可視化したものです。横幅が市場規模、縦の分割がシェア比率を表すため、単なるシェア比較にとどまらず「どのカテゴリが大きく、どの企業が優位か」を一目で把握できます。

＜見方＞

• 横軸（幅）：カテゴリ別の市場規模を示します（例：テレビ 41％、冷蔵庫 33％、洗濯機 25％）。

• 縦軸（高さ）：各カテゴリ内での市場シェア（100％積み上げ）。

• 色分け：企業別シェア（A社＝青、B社＝オレンジ、C社＝緑）。

• 右に位置するカテゴリほど市場規模が大きく、縦の比率で企業ごとの強み・弱みを比較できます。

＜利点・メリット＞

1. 市場規模とシェアを同時把握：単に「どの企業が強いか」だけでなく、「どの市場で強いか」を明確にできる。

2. 重点戦略領域の特定：シェアが高くても市場規模が小さい場合と、大規模市場でシェアが低い場合とで戦略の優先度を検討可能。

3. 競争状況の俯瞰：業界全体の構造を直感的に把握でき、競合比較にも有効。

4. 経営会議・市場分析に最適：投資判断やリソース配分の根拠として使いやすい。

その１3　ファネルチャート

＜何を表しているか＞

このチャートは、営業活動の各プロセス（例：ウェブサイト訪問 → ダウンロード → 見込み顧客 → 価格問い合わせ → 請求書送付 → 成約）における顧客数の絞り込み過程を、地域別に可視化したものです。ファネル（漏斗）の形で、上流から下流に進むにつれて顧客が減少する流れを直感的に把握できます。

＜見方＞

• 横幅：各ステージに残っている顧客数を示します。

• 上段（広い部分）：営業活動の入口である「接触段階」（例：サイト訪問者数）。

• 下段（細い部分）：最終的に成約に至った顧客数。

• 色分け：東京（青）、大阪（赤）、名古屋（緑）といった地域別の内訳を表現。

• 各段階でどの地域が強いか、あるいは離脱率が高いかを比較できます。

＜利点・メリット＞

1. 営業プロセス全体の可視化：どの段階で顧客が多く離脱しているかを一目で把握可能。

2. 地域別比較が容易：都市ごとの強み・弱みが明確になり、重点施策を検討できます。

3. 改善ポイントを特定：例えば、ダウンロード段階での離脱が大きければマーケ施策、価格問い合わせ以降での離脱が大きければ営業力強化が必要。

4. 成約率向上の施策に直結：営業活動の効率化や地域戦略の策定に役立ちます。

＜何を表しているか＞

このチャートは、売上・利益・顧客満足度などのKPI（重要業績指標）について、実績値と目標値を比較し、その達成度を一目で確認できるようにしたものです。棒グラフを基にしながら、目標ラインや評価帯域を重ね合わせることで、単なる数値比較以上に「実績がどの位置にあるか」を直感的に把握できます。

＜見方＞

• 黒いバー：実績値を示します。

• 縦の赤線：目標値を示し、実績との達成度を比較可能です。

• 背景の色分け：低評価帯（黄色）、中評価帯（青）、高評価帯（緑）といった基準ゾーンを示します。

• 項目ごと（売上、利益、満足度）の実績が、どの評価帯に位置しているかを確認できます。

＜利点・メリット＞

1. 目標達成度を直感的に把握：実績が目標に届いているか、どの評価ゾーンにあるかを即座に理解できます。

2. 複数KPIの並列比較が容易：売上・利益・満足度など、複数指標を同じ形式で比較できるため、総合評価に適しています。

3. 経営会議や進捗管理に有効：従来の棒グラフよりも「基準に対する位置づけ」をわかりやすく伝えられます。

4. 改善優先度の把握：目標未達の項目を特定し、改善施策の優先順位を検討する材料になります。

その１１　ツリーマップ

＜何を表しているか＞

このチャートは、商品や部門などのカテゴリごとの売上や構成比を、長方形の面積によって可視化したものです。各長方形の大きさは数値（例：売上規模）に比例しており、複数カテゴリを一枚の図で俯瞰できるため、構成比の比較や重点領域の特定に役立ちます。

＜見方＞

• 各長方形は1つのカテゴリを表し、面積の大きさがそのカテゴリの規模を示します。

• 色分けにより大分類（家電・食品・アパレルなど）がグループ化され、内部の小区画が個別商品カテゴリを表しています。

• 一目で「どの商品が売上の中心を占めているか」「どのカテゴリが小規模か」を把握可能です。

＜利点・メリット＞

1. 構成比の把握が容易：数字を見なくても、どのカテゴリが大きな比重を占めるか直感的に理解できます。

2. 重点管理対象を発見：売上や利益が大きい領域をすぐに特定でき、重点的な戦略策定に活用可能。

3. 小規模市場の見落とし防止：小さな区画も可視化されるため、ニッチ市場や改善余地を見つけやすい。

4. ポートフォリオ全体を俯瞰：商品・部門・顧客セグメントなど、複数の切り口で利用可能。